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笹倉及介の日記ブログ

自分との戦い 料理編

 料理とは、自分との戦いである。というのは、誰かに食べさせるためならまだしも、自分一人の場合は、自分しか食べないので、手間暇かけておいしい料理を作ったり、とてもよい食材を使ったりしても、全くの自己満足で終了してしまうからだ。これはコストパフォーマンスの問題である。僕はある程度おいしければそこまでこだわりを持たなくてもよいと思う。どの辺りで自分との折り合いを見つけ、そこで妥協するかが勝負の分かれ目である。ただし、料理が趣味という人は妥協などせずに、限りなくこだわりを持って欲しいと思う。
 今日は久しぶりに本格的な料理をしたのだ。いつもは魚を買ってきて焼くだけとか、インスタントの味噌汁とか、スーパーの惣菜なんかで済ましているが、たまには材料から自分で作るのも悪くない。週末に一気に料理を作って蓄え、明日からの忙しい一週間に備えようという作戦である。
 おいしい料理を作るために最も重要なことは、<レシピを見てその通りに作ること>である。本屋で買ってきてあまり開くことの無かったレシピ本を探す。まず、その本を探すのに苦戦する。ここで既に自分との戦いは始まっている。いつも通りにてきとーに買ってきて、てきとーに味付けして食べようかな…などと思い始めるが、どうにか本を見つけることができた。他の本とはサイズがまったく違うので別の場所においてあったのだ。ギリギリで自分に勝った。
 本を開いて何を作ろうか決める。ぱっと見て、おいしそうで、量があり、日持ちしそうなメニューがあったのでそれを作ることにして、材料をメモしたのち買いに行く。
 ローリエってこんなもん入れたって食べるわけじゃないのに味が変わるのか?今後ずっと使うってわけでもなさそうだし買う必要あるのか?などと思いながらスーパーでローリエを探す。ここでも自分との戦いである。…ってローリエ結構値段が高いじゃないか!パス!そんな具合に買い物は進む。負けである。
 ごま油って、サラダ油じゃ駄目なのか、サラダ油とどこが違うんだ。ブロッコリーは今日は高くてほうれん草が安いのでそれで代用。そんな適当な買い物をする。すごく自分に負けている。メタメタにやられている。完敗を実感しながら、レシピと違うものをレシピ通りの手順で料理し、いかにおいしくするかということを考え始める。完敗したので、別の土俵での勝負をすることにしたのだ。こういうことは、よくある。
 そして料理だ。ここでも色々と勝負になる。<玉葱を飴色になるまで炒めます>と言われても、その前の段階でも十分食べられるし、おなかも減っているし、もういいやという考えの中、次の手順へ。負けである。もう、負けしかない。<15分煮込みます>10分しかたってないけど、おなか減った!もういい!負け!
 そんなこんなで料理が出来上がる。食べる。うまい。勝ちである。最後に勝てばよいのだよ。まあ、作りすぎて一週間同じメニューになりそうだけれど。