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笹倉及介の日記ブログ

小道具としてのラジオ ラジオガール・ウィズ・ジャミング

ラジオガール・ウィズ・ジャミング (電撃文庫 (1288))

ラジオガール・ウィズ・ジャミング (電撃文庫 (1288))


 ラジオって、いいよね。あまり聴かないけれど惹かれるものがある。「ラジオ」という小道具が好きなのだ。レトロで、人と人とのつながりを感じさせられ、音楽が流れてくるという素敵な小道具だ。テレビよりも好きだし、好きになりたいと思える要素があると思う。
 この小説は情報規制されている町で海賊放送を行う少女と不器用な男が主人公のおなはし。この小説の世界を想像するとき、パンプキン・シザーズという漫画を連想した。最初に少し漫画が載っているけれど、それも、読む前と読み終わった後では感想が違ういい仕掛けだと思う。一冊で綺麗に完結しているいい小説だ。
 この小説はいいのだけど、一冊で完結しているが続編を出すことを前提に書かれている小説というのは、あまり読みたくない。それに、「次巻に続く」でずっと続く大作小説もあまり好きではない。一冊でちゃんと完結して欲しい。続きが気になるし、気持ちが盛り上がったところで「続く」だと、どうにも萎える。これは読む側のわがままだ。じゃあ読まなきゃいいじゃん!なんて言わないで欲しい。いくら一冊で完結していないからって、面白そうなんだもの、読んでしまいます。