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笹倉及介の日記ブログ

馬鹿者(褒め言葉) 夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女


 天然ボケのちょっと不思議な乙女と、その乙女に片思いの男の交互の視点で語られるおはなし。そういう、「こういうおはなしだよ」と一言で表してしまうにはもったいないくらいの傑作。こんな小説初めてだ。手放しで褒めたい。
 これほど読んでいてにやけが止まらず、読み終えて気持ちの良い小説は久しぶりだ。登場人物たちが魅力的すぎる。小難しい文体、時代めいた古風な台詞回しで綴られる馬鹿で愛しい物語。異世界だ。これは異世界。ファンタジーだ。現実と近いところにあるファンタジー。まったく、素晴らしいじゃないか。もっと、もっと無いのか、こういう本は!