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笹倉及介の日記ブログ

タングステンの沸点が5555℃なことについて

 タングステンという元素がある。金属だ。すべての元素には融点と沸点があるんだけど、タングステンの沸点は5555℃でぞろ目だ。
 ぞろめ目だ。ぞろ目。凄いと思いませんか?
 ただの偶然じゃないかと思う人もいるかもしれない。しかしその偶然が凄いのだ。
 まず、偶然地球上に水がたくさんあったことから始まる。摂氏の単位は水を基準に決められたものだからだ。水がマイナーな星だったら水を基準にすることなど無い。そして、偶然人類の指が10本だったので十進法が採用された。だからこそ「℃」を決めたセルシウスは水が液体でいられる温度を100分割し、凝固する温度を0℃とし、蒸発する温度を100℃とした。ここでもセルシウスが偶然100分割したからこそ、タングステンの沸点が決定されたわけだ。
 このように、ただの偶然とも思えるものも、実はとんでもなくスケールの大きい偶然の積み重ねからできているのだ。
 それにしても「ぞろ目」を特別な数字とみなす人間の心理は面白い。