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笹倉及介の日記ブログ

「けまらしい」について

けまらしいという言葉はid:kosekiさんが初出らしい。

「あの人たちが仲良くするせいで私が不快になる」っていう気持ちを表現する新しい言葉を作ったらどうか。たとえば、「けまらしい」と言うことにしよう。
id:koseki:20040723#nareai

けまらしいという言葉は、言葉から意味を想像することができない。意味を教えてもらわないと絶対にわからない言葉だ。これってとても凄いことだと思う。だって、普通は言葉に語源がある。
「DISる」は「dis + する」だし、「テラワロス」だって少々めんどくさいけど笑った→ワラタ→ワロタ→ワロス→テラワロス」という経路でできた。けまらしいにはそれが無い。経路が無い。みんなが説明できない感情に困っているところに、ポッと出てきてスポッとはまり、それが広まったような言葉だ。でも普通はいきなり別の言葉を作れない。語源があるのが普通だ。
「じゃあツララを見ると折りたくなったり、霜柱を見ると踏みたくなったり、新雪が積もっているのを見ると跡を付けたくなったりする冬の感情に名前を付けてくれ」
といきなり言われても、急には出てこない。言葉には音に対する共感覚とか、必要とされているかどうかとか、ともかくしっくりこないと駄目なのだ。その点、けまらしいはしっくりときたのだろう。そういう言葉を作ったというのは凄いことだ。今まで説明できなかった感情に言葉ができて、みんな助かった。言葉ができてからけまらしいという感情ができた人もいるだろう。いやあ、これは偉業だよ。
語源が無いところから自分の感情を持ってきて、自分で言葉を作れるなんて、なんという言語感覚だろう。その能力が欲しい。