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笹倉及介の日記ブログ

白夜行

白夜行

白夜行


ある殺人事件に巻き込まれた少年と少女の物語と言えばよいのか。少女は成長し、華々しい人生を送るが、その影には常に少年が見え隠れ。二人の周りには常に色々な事件が起こっているが、二人がやった証拠は何も無く、二人は全く別々の人生を送っているように見える…。
おもしろい。おもしろかったよ。ただ、読み終わったときすごく暗い気分になった。肝心の人物の心理描写が書かれないので非常にやきもきして落ち着けない。それになんだよこのはなしは、誰も幸せにならないじゃないか…。最初から最後まで不幸で後味の悪い話になるように演出されている。もう見てられないよ…ああーけど続きを読んでしまう…。結構長かったけれど、いつの間にか読み終わっていた。長さを感じさせない。
主人公の二人は、「なんなんだこいつらは、死んじまえ」と思ったりもしていたけれど、最後まで読むとそれは変わった。人間の汚い部分と、綺麗な部分が同時にあって、今は複雑な気持ち。でも本当のところはわからなくて、やきもきやきもきしている。だって何も書いていないんだもの!主人公の主観で書いてくれよ! と、こうしてやきもきしているのも、たぶん作者の思う壺なのだろうなあ。
こんな不幸な話は一晩で読むのがお勧めです。
ところで読了感さわやかな小説はどこにあるんだ…。この間から悲しい小説を読んでばかりだ。