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笹倉及介の日記ブログ

なんか違う言葉

付箋という名前を初めて知ったときは、「なんだそれ」と思ったものだ。付箋自体はずっと前から知っていたけれど、それが付箋という名前だと知るのにしばらくかかった。あの四角くて細長い、半分が紙とくっつく小さいメモ用紙で、本の上から覗いているカラフルなヤツ。あれはどんな名前なんだろう?と中学校くらいでずっと思っていた。そうしたら「ふせん」だと言われた!「へ?」と思ったものだ。困惑気味だった。あの物体は全然「ふせん」っぽくないと思う。もっとシャープでオシャレでかっこいい名前が妥当だろうって思っていたのに、「ふせん」だ。なんて気の抜けた名前なのだろう。「ポストイット」は良い。あの物体は確かにポストでありイットであるという力強い説得力が感じられる。でも「ふせん」は何だかなあ〜である。「とうふ」「すあま」そんなのと似ていると思う。
他にもそんなことはある。「∂」という記号だ。偏微分の数学記号。これは高校時代、僕はずっと読み方不明だった。それでも数学は声に出すことなんてしないし、頭の中でも読むことはしないので全く問題なかった。ただ「偏微分のときのクルッとした記号」と理解していれば良かったからだ。まあそれでも、なんとなく読み方がわからないと気持ちが悪いから、僕は勝手に「サイクロ」と名前をつけていた。そうして高校はそれで順調に行ったのだが、大学に入って読み方を知って驚愕した。「ラウンドディー」と読むらしいではないか!そんな…そんなの違うよ!「らうんどでぃー」って感じじゃないよアレは。もう僕の中では「サイクロ」だよ…。もう駄目かもしれない…。それ以降しばらくは、偏微分の「∂」が出てくるたびに、「サイクロ…じゃない名前の…なんだっけ…、あ、ラウンドディーだった」ってな具合に考えてしまうので、その分計算が遅くなったと思う。それがなければ追試を免れていたかもしれない。
それでも二つとももう慣れてしまって、普通に「ふせん」も「ラウンドディー」も使っている。それが大人になるってことなんですかねえ。