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笹倉及介の日記ブログ

きれいな吉良吉影を心に飼う

吉良吉影という人がいます。ジョジョの奇妙な冒険第4部に出てくる悪役で、殺人鬼です。彼は女性の手首に執着し、その手首を切り取って持って帰りたいという欲望に耐えきれず、たびたび女性を殺しますが、そのスタンド能力(超能力)により死体が見つかることはありません。主人公たちに見つかるまで何人もの女性を殺しています。
彼は自分が殺人鬼だという自覚があり、殺人は悪いことであるとわかっているけれど、自分の欲望を抑えきれないことも理解しています。
彼は非常にこだわりを持った平和主義者であり、トラブルを避け、心労を避け、心の平穏を保とうと努力しています。毎日、枕を高くして寝たいわけですね。
そんな性格だったら、普通は絶対に人殺しなんてしないでしょう。たとえ絶対にばれずに人を殺せるとしても、です。でも彼はどうしようもない性癖を持ってしまった。別に彼自身はそんな性癖を望んだわけではないと思います。
そして、彼はそんな性癖と平穏無事な生活とを両立させようとして日夜努力を欠かさないわけです。

彼の考え方には見習うべきところがある

彼が殺人鬼でなかった場合、ごく常識的な性癖を持っていた場合のことを考えて、それを見習ったらよいと思う。
つまり、自分の性癖だとか、これだけは譲れない点とかを自覚し、それを満たすべく努力をする。そのほかの点は毎日枕を高くして眠れるように、心の平穏を目指して行動する。そうすれば幸せな毎日を送れる気がするのです。
たとえば、電車で座れず辛そうな老人を無視して居眠りするふりをするよりも、譲ってあげたほうがその日はぐっすり眠れる。親切はしてあげられるのに無視するよりも、してあげたほうが後悔しないので安心して眠れます。無視してしまうと罪悪感が残って気持ちが悪いです。安心して眠れない。
その日に絶対にやっておかなければならない、というほどでもないけれど、やっておいたほうがよいことがあった場合は、やってしまったほうがすっきりする。そしてその日は心の平穏を保って生活することが出来る。気になっていることを後回しにすると、わずかだけどストレスになる。安心して眠れない。
欲望を満たすのも、そうしないとストレスが溜まるからです。我慢は良くない。
こういう考え方を、僕は「きれいな吉良吉影メソッド」と勝手に呼んでいます。親切をするのも勤勉に働くのも誰かの期待に応えるのも全て自分が枕を高くして安心して眠るためなのです。
彼は人間関係はトラブルの元で煩わしいという理由で、人との深い付き合いを避けているわけですが、僕にとっては深い付き合いが全くないのはストレスであるので、僕の中のきれいな吉良吉影は人間関係にはある程度積極的です。
みんなも心の中に吉良吉影を飼えばいい。たぶん爆殺されたりしないよ。