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笹倉及介の日記ブログ

鹿男あをによし

鹿男あをによし

鹿男あをによし


最初に言っておくけど、僕はテレビの影響で買って読んだわけではありませんからね!ドラマ化されていたらしいですけれど、そんなことは買ってから積んでおいた頃の話だ。買ったのはドラマ化されるよりずっと前だ。
積ん読の一番の害と言ったら、そういうことだろう。買ってからしばらく積んどいたら、賞を取り、メディアミックスされ、ベストセラーになって皆が知っている本になる。今更読んだところでミーハーと思われかねない。しかし面白いのだからこそメディアミックスされたのだし、自分で選んで買ったのだし、読まない理由は全くない。そのへんにジレンマがある。
本については、非常に軽快でテンポ良く読めた面白い本だった。これは確かにドラマ化されそうな本だ。文体が簡潔で、文章をこねくり回して楽しませようとするのではなく、登場人物で楽しませようとする文章だ。逆に、森見登美彦氏の小説はドラマ化されにくいだろうなあ。氏の文章は映像で表現するのは難しいだろう。
そういえば、僕は奈良公園の鹿になりたい時期があった。この本を読んだことで思い出した。鹿は美しいとこの本には書いてあるが、それについては同意だ。奈良公園の鹿になれば、美しく、自由で、せんべいがもらえるパーフェクトな人生を送れるのだ。これ以上は無い。