ばいばい、アース
読み終えた。
いやぁ、おもしろかった。途中でちょっと息切れして他の本に浮気したりもあったけれど、比較的短い期間に一気に読めた。こんなに長い本を読んだのは久しぶりだ。
この本はファンタジーだけど、「ファンタジーだよ〜こういう世界だよ〜」とは絶対に説明してくれず、独特な言葉から世界を想像する。それが面白い。少うし、わかりにくい文章だという意見もちらほら脳内にて聞かれましたが、そこは長い長い物語を読み進めていくうちに慣れてしまいました。
この世界では、人間は必ず何かの種族に別れていて、動物の外見的な特徴が入っていたりするのですが、ベルという少女だけが僕たちと同じような、特徴のない外見をしています。ベルはそれはどうしてなのか、自分と同じ種族は他にいないのか疑問を持ち、自分のルーツを探しに旅に出ます。
それが事の発端で、ストーリーの本筋ですけれど、あんまりそれにはこだわらずにベルがいろいろやります。そうして、だんだんわかってくるわけです。ベルが、ではなくて、僕たちが、です。読んでいる側が、直接書かれていないことに気づいてくる。そこからですね、面白くなるのは。
それにしても冲方丁は凄い人ですね。こんなに精密な世界を作ってしまえるなんて、凄すぎる。作家という人種は皆こんななのだろうか。僕には出来そうもない。