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笹倉及介の日記ブログ

理系院生の就職活動

僕の就職活動が終わって2ヶ月が立とうとしている。結果的にうまくいったけれど、紆余曲折があり、かなりギリギリだったように思える。おそらく原因は、情報不足と度胸不足だろう。世間的に就職活動は文系の学部生を中心に動いており、理系の院生なんてどうすればいいのかどこにも書いていないのだ。先輩に聞くにしても、サンプル数が少なすぎる。あとは僕自身があまり自分自身のことを売り込む行為が嫌いであることもある。どんなにうまくいった面接でも、恥をかきに面接に行くのであり、心を削って自分を売るのである。
あまりにネット上に理系院生の就職活動についての記述が少ないので、僕自身が書くことにする。(システムエンジニアとか、情報系の記述は多い)
サンプル数は少ないが、僕が見聞きしてきた理系院生の就職活動について僕なりに記す。

院生であるメリット

就活において院生であるメリットはほぼ無い。強いて言うなら、企業の事業内容と研究内容がマッチしていて、その企業がそんなに大きくない企業である場合は、そこへすんなりと入ることができることがある。もちろん、東大とか京大ならば話は変わってくるだろうけれど、その辺の十人並みの理系院生に就活のメリットなんて無い。

インターンシップは、現時点で是非とも就職したい企業があるのなら行くべき

インターンシップはかなり強力なカードで、行ってその企業の人に気に入られた場合、向こうから「是非うちに来てくれ」と言われ、ほぼ内定をもらえる。その大学に不釣り合いにレベルの高い企業からもオファーが来るので、現時点で特定の企業に入りたいという強い意志を持っている場合は行くことを勧める。でも企業の人に気に入られるのが難しいかもしれないし、どうしても肌に合わないと感じるかもしれない。僕は行かなかった。

自己分析をする

自分はなにをやりたいのか?と考える。方法はなんでもいい。紙に書いたり、テキストファイルにしてもよい。「絶対内定」などの本を買ってもよい。「やりたいことはとくにない。大企業であればどこでもいいや」なんて考えている人は特にやったほうがよい。この世には「大企業病」という病があるのだ。それに、企業側は「院にまで進学したわけだし、研究にからんで何かやりたいことくらいあるだろう?」ということを前提に面接を進めたりするので、考えておくのがよい。

合同説明会に行く

なにをやっていいかわからない人は、スーツを着て生協主催の合同説明会に行けばよい。そして適当に興味のある企業のブースに座り、説明を聞いて、質問をする。ただし、専門的な質問をすると、相手はほぼ答えられないので注意。合同説明会には技術の社員は来ないことが多い。

個別の説明会に行く

「ここに就職しても良いな」と思う企業には、個別の説明会に参加する。僕の場合、事業内容はすごく興味があるが、説明会の雰囲気がどうしても嫌だったので辞めた企業がたくさんある。ここでも専門的な質問は自重したほうがよい。技術の社員の場合はしたほうがよいかも。

就活本は役に立たない

就活本は有名企業を受ける文系の学部生向けに作ってあるので全く役に立たないが、読んだことでとりあえず就活した気になり、心の平穏を保つことができる。役に立つ本は、履歴書やエントリーシートの書き方のノウハウを記した本くらいだった。SPIの練習もしたけれど、研究室に落ちていた一昨年の参考書を使った。その一冊を一回やるだけで対応できる。ブックオフで売っているのを買っても良い。僕の場合、焦って本を買いまくって就活ビジネスの定置網にかかっている自分に腹が立ったものだ。

推薦でも落ちるときは落ちる

院生は推薦で就職する人も多く、就職活動は苦労しないと思われがちだけど、そんなことはない。推薦で落ちた人は結構居た。

院生だからといって楽というわけではない

院生を採用する場合、研究内容で選ぶ企業がある。超大企業はあまり関係ないところが多いが、中堅は研究内容で選んでいるところもある。選択肢は院生のほうが狭いのだ。なんだかんだで製造業で研究分野も近いなら受かる確率は高いのかもしれないが…。

研究職になれるわけではない

院生だからって、基礎研究や製品設計などの職に就けるというわけではない。僕は「院を出ておけば企業で研究職に就ける!」と思って院に進学したんだけれど、全くの見当違いだった。

面接で聞かれること

院生は研究内容について聞かれる。いわゆる自己PR、履歴書に書いたこと、そして研究内容が主に聞かれることだ。「自分の研究については教授よりも詳しいぜ!」くらいの自信が必要だ。そして、「研究内容を文系の人にもわかりやすく伝える」ということも重要である。面接官は文系の人のほうが多い。「その研究を当社でどう活かすか?」などもよく聞かれる質問だ。

研究と就活の板挟み

院生はそうなる。学会が就活ピークの時期にあるなんてことも。就職するなと言うことですね?

その他

  • 貴重な学生生活の半年を就職活動に費やさなければならないなんて、おかしいです。
  • 面接をする側、面接される側はお互いにフラットな関係であるべきだという心構えで面接に行くのだ。偉そうなおっさんは心の中で見下すのだ。
  • うまくいかなくても自分を変えようとしないこと。


追記
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