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笹倉及介の日記ブログ

鉄塔武蔵野線

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)


ぱっと中身を見て、鉄塔の写真がたくさんちりばめられており、一見して小説に見えなかったのだが、ファンタジー小説大賞であるとのことで、その賞には僕の好みの作品が多いだろうと言うことはわかっていたので、読むことにした。

この小説を読んで、鉄塔や、その他の電線などの見る目が変わった。電子の動きを意識するようになったし、「鉄塔萌え」という意識も出来た。実際に鉄塔に惹かれる人たちは結構居るようだ。もともと無機物萌えなところが僕にもあったけれど、この本を読んでそれがますます加速したようだ。ただ単に鉄塔を一本一本見ていくだけの探検が、こんなに面白いとは。みっちゃんとアキラと一緒に、鉄塔の数字を数えていく。子供の頃の探検に出た気持ちで読んだ。一緒に喜んだり、飛んだり跳ねたり悲しんだりした。この季節に読んだのも良かったのかもしれない。とにかく童心に戻って登場人物と一緒になって、転げ回った。
そういえば、僕も小学校の頃、似たようなことをして自転車で遠くまで行って、暗くなってから半泣きで戻ってきたことがあった。
面白いし、最高に好きな本だ。面白い本と好きな本は別だと思っているけど、この本は両方だ。借りて読んだのだが、是非買いたい。