荒野
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: 単行本
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久しぶりに桜庭一樹です。やはり面白い。けれど、桜庭一樹の本は一気に読むことが出来ません。平易な文体ではあるけれど、書いてあることが衝撃的で、息切れしてしまいます。図書館で借りたのだけれど、返却期限がもうすぐでなければ、もう少しゆっくり読みたかった。
この本は、荒野、という一人の少女がだんだん大人になっていく様子を、主に恋愛の視点で書かれています。12歳から16歳までなので、まだまだ大人というには早いかもだけど。
あとなんだか荒野の周囲の人間達が異様にどろどろとした恋愛をしていて、読んでいてハラハラしてしまいます。いつ荒野が汚されるか心配でしょうがなかったけれど、どうやらちゃんとまっとうな大人になってくれそうで何よりです。
この本は、僕が読んで良かったのだろうか? なんだか、僕を裏返した人間に対して書かれているような気がした。読んでいて背徳的な気持ちになる。だって、少女、恋愛、思春期なんて、なんだか自分にとってふさわしくないような気がする。思春期ってあったっけ? なんだかいつの間にか過ぎ去っていた気がする。荒野のような女性がいたらそれはもう素晴らしいことですし、きっと好きになってしまうけれど、女の子がみんな荒野のようにものを考えて成長していくのだとしたら、なんだかよくわからない。永遠の謎だ。