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笹倉及介の日記ブログ

「おもしろいから読んでみてよ!」を言わないために

「誰かに勧められたものはハードルが上がるのでつまらなく感じる」というものがある。僕はそれが自分で十分分かっているから、あんまり誰かに何かを勧めることができないし、自分の好きなものを語ることもできない。僕が大好きな本を、「おもしろいから読んでみてよ!」と誰かに言ったとして、その誰かは、僕の紹介を受けてその作品に触れてもきっとつまらない思いをするだろう。違う出会いかたをしていたら絶賛していたかもしれないのに、押しつけられると楽しめなくなる。

作品との「出会いかた」はそれを楽しむためにかなり重要な要素だと思う。僕が紹介することで、強制的に出会わされても、それは最悪な出会いに違いない。ただの押し売りだ。しかも、それで読み終わったあと、紹介元、つまり僕に感想を言わなければならないのだ。しかもネガティブな感想は許されない。そんなのつまらないに決まっている。

たぶん自分から働きかけて、そして自分から「おもしろそうだな」と思って手に取り、実際におもしろかった、という出会いかたが一番良いのだろう。

なんとかそれを僕が自分で演出できないのだろうか。ブログに紹介文や感想文を書くというのもひとつの形だけど、できればリアルでやりたい。うーん…。

たとえば、「好きな本を周りの人たちに勧めたい」とする。

  • 人に好かれる

まず、僕が魅力的な人物であると思われる必要がある。好かれなければならない。嫌いなやつが好きなものなんて大したことないに決まってるのだ。

  • 好きなことをアピールする

なるべく作品単位でこの本が好きなんだよねーみたいな話をする。常にその本を持っているのも良いかもしれない。実際に目の前に本がないと、その本が好きであるという話にはならないだろう。とてもうれしそうにその本の話をして、それでいて興味を持ってもらったとしても「貸そうか?」とは絶対に言わない。

  • 「貸してくれ」と言われたら貸す

その際、返却期限を遅めに設定した方がよい。「返却期限がもうすぐだから早く読まないと」というのはノイズになる。読みたい気分じゃないときに読んでもらっても困る。

  • 感想を強要しては駄目

「どうだった?」の一言が相手のプレッシャーになる。無言で受け取る。相手が感想を述べたら、同意しよう。たぶん口数が多くなってしまうと思うから、相手のペースにあわせるように心がけること。そして、さりげなく「同じ作者のこの本もおもしろいよ」などと言って、相手を引き込もう。



とても長い道のりだ。我慢強く乗り越えなければ、布教はできない。やっぱりブログが一番いいんじゃないかな…。ブログでどんなにしつこく熱く紹介しても、押しつけにはならないしー。