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笹倉及介の日記ブログ

変な枝との別れ

僕の家には、変な枝が置いてありました。

ある日、家の周辺をうろうろと散歩しているときに見つけたのです。とても変な形をしてる枝が落ちていたので、思わず拾ってきてしまったのです。しばらく眺めて、変だなあ、とひとしきり楽しんだあと、お玉やフライ返しなどが立ててある瓶に、その変な枝も一緒に立てておきました。台所が一気に華やかな感じになったものです。いや、華やかではないですよね。ちょっと面白い感じです。「ものすごい美人が道を歩きながらスルメを食べていた」みたいな、少し変な感じになりました。

それから数年ずっと台所に飾ってありました。僕は部屋にものを飾ることをしないのですが、唯一その変な枝だけはずっと飾ってありました。一時期ペーパークラフトなども飾ってありましたが、風で飛んでいってしまいました。数年間ずっと、僕の部屋におもしろさを演出してくれていました。この変な枝がなければ、殺風景でしょうがなかったことでしょう。誰かが僕の家に訪ねてくるたびに、この変な枝について訊かれたものです。「これは何?」「これは変な枝だよ、拾ったんだ」
この変な枝はいったい何なんだろうかということも考えました。ただの枝なのに、何故こんなに変な形をしているのだろうか。もしやこれは世界を安定させるために必要なもので、知られてはいけないものであるのかもしれません。つまり、これを拾ったものは、しまっちゃうおじさんにしまわれてしまう。

しまわれてしまうのも怖いですし、それに引っ越すことですし、この変な枝とも今日でお別れになります。今日でアパートを引き払うのです。落ちていたところに戻すことにしました。

さようなら。ありがとう!変な枝!

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