それっぽいことを言う能力
僕には「それっぽく話す」という能力が欠けているように思える。「それっぽい」というのが分かりづらいので説明すると、「似非優等生の答え」だ。
例えば、最近入社式だったからそれで話をするが、社長から「入社式どうだった?」と聞かれて、似非優等生だったら「社会の一員になるということを実感し、これからの仕事を頑張っていきたいと思いました」などと、はきはきと恥ずかしげもなく言う。そういうことを僕は言うことが出来ない。
ちょっとわざとらしすぎてどうかと思うし、誰でもそう思うような意見なので、「本当にそれがあなたの意見なのか」と思われかねない。無難であるのは確かだけれど、そういう答えを果たして相手は求めているのだろうか。そんなことは百も承知で、違う意見を聞きたいのではないだろうか。少なくとも、僕はそういった無難すぎる回答なんて聞きたくない。なんの参考にもならないじゃないか。もっと工夫しろ。
一応「それっぽいこと」を思いつくことは出来るのだ。でもそれが外に出てくるかというと、そうじゃない。きっとひねくれているのだろうと思う。必要に迫られるに連れてそういう力も付いていくものかもしれないが、あまりつけたくない能力である。
ちなみに僕が社長から「入社式どうだった?」と聞かれたら、「正直退屈でした。いつになっても堅苦しいのは苦手ですね」などと言ってしまいそう。だって社長自身が本当に堅苦しいのが苦手そうだったんです。