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笹倉及介の日記ブログ

吾輩は猫である

吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (新潮文庫)


青空文庫で読んだ。しかも二度目だ。

この本は…読まなくてもいい!

いや、すごく面白かった。それは分かってる。なにしろ二度も読んだのだから、大好きな小説だし、漱石の中でも一番好きだ。本当に楽しい。文章を書いて人を楽しませることができるのなら、できればこういう文章が書きたいと思う。最高のエンターテイメントであると思う。
なんで読まなくてもいいかというと、なにしろ、読んでいて、全く得られるものがない。ただただ楽しいというだけ。ストーリーも無いし、登場人物はくだらない雑談を繰り広げるだけ。そして猫が、小難しいことを言う生意気で尊大な猫が、突っ込みをいれる。猫のくせに。かわいいくせに。小説と言えば、主人公や登場人物の人生の仮想体験なわけで、読み終わった後にはだいたい何か残るものがあると思うのだけれど、そういったものは全くない。とくに文学文学している文学は、うまく言えないような感情を表現しているものだけれど、全然そんなことはない。ただ楽しい。すごく楽しい。

迷亭君や寒月君とのやりとりも好きだけど、僕としては、苦沙弥先生と細君のやりとりが好きでした。なんだかんだ先生は文句ばかり言うんですが、細君は細君でそれを分かっていて、いい夫婦だなーと思います。まあでも出てくる人物は全員(良い意味で)阿呆ばかりですね。