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笹倉及介の日記ブログ

手紙

手紙の書き出しで数時間悩んでいる。拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます云々、めっきり秋らしくなり云々というやつだ。こんなもの、検索すれば文例集が山ほど出てくるのだから、悩む必要はないじゃないかと思うかもしれないが、それはしたくないのだ。何かしら自分の言葉を織り交ぜたい。しかし、僕が書くと、
「もう秋だな。すっかり涼しくなって空気も澄み渡り、空も高くなっていて過ごしやすい季節になった。朝晩は寒くなってきてこたつを出そうか迷っている」
そんな風な乱暴な文章になってしまう。美しい日本語とはほど遠い。まあ、これはこれでちょっとはいいんじゃないか、とも思うのだけれど、フォーマルではないだろう。会社ではもう少し格式張っていて小気味良い、大上段に構えた尊大な文章を書かなければならないのだ。