twitterのおもしろさって、毎日すれ違うおばちゃんがいるのに気がついてなんとなく挨拶していたら、いつの間にか世間話をするようになって、気がついたら「うちの畑で取れたんだよ」とか言って白菜を貰って嬉しいんだけど白菜こんなに貰っても…じゃあ友達呼んで鍋でもしますか!って感じに似てるよねって話
言いたいことはタイトルに書きました。あとは蛇足です。
今日はなんとなく、「本は本来何度も何度も再読して身にしみ込ませるものだ。そういえば、好きな本をもう一回読んだのはいつの日だっただろうか」という気分になったので、星の王子様を読んだ。
- 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,内藤濯
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/03/10
- メディア: ハードカバー
- 購入: 19人 クリック: 501回
- この商品を含むブログ (270件) を見る
あとなんだか今日は特別twitterで話が盛り上がった。主にホームセンターにときめきを感じるという話題だったが、観光名所を教えて貰ったり、ご近所さんも発見できたりして、とても楽しかった。
星の王子様に出てくるキツネがこんな話をしている。
王子くんがキツネに友達になって欲しいと言い、それに対して「キツネは『なつけて』くれなければダメだ」と言うのです。『なつける』というのはどういうことなのかというと、
おいらにしてみりゃ、きみはほかのおとこの子10まんにんと、なんのかわりもない。きみがいなきゃダメだってこともない。きみだって、おいらがいなきゃダメだってことも、たぶんない。きみにしてみりゃ、おいらはほかのキツネ10まんびきと、なんのかわりもないから。でも、きみがおいらをなつけたら、おいらたちはおたがい、あいてにいてほしい、っておもうようになる。きみは、おいらにとって、せかいにひとりだけになる。おいらも、きみにとって、せかいで1ぴきだけになる……
『なつける』とどうなるのか。
おいらのまいにち、いつもおなじことのくりかえし。おいらはニワトリをおいかけ、ひとはおいらをおいかける。ニワトリはどれもみんなおんなじだし、ひとだってだれもみんなおんなじ。だから、おいら、ちょっとうんざりしてる。でも、きみがおいらをなつけるんなら、おいらのまいにちは、ひかりがあふれたみたいになる。おいらは、ある足音を、ほかのどんなやつとも聞きわけられるようになる。ほかの音なら、おいら穴(あな)ぐらのなかにかくれるけど、きみの音だったら、はやされたみたいに、穴ぐらからとんででていく。それから、ほら! あのむこうの小むぎばたけ、見える? おいらはパンをたべないから、小むぎってどうでもいいものなんだ。小むぎばたけを見ても、なんにもかんじない。それって、なんかせつない! でも、きみのかみの毛って、こがね色。だから、小むぎばたけは、すっごくいいものにかわるんだ、きみがおいらをなつけたら、だけど! 小むぎはこがね色だから、おいらはきみのことを思いだすよ。そうやって、おいらは小むぎにかこまれて、風の音をよく聞くようになる……
『なつける』ためにはどうすればよいの?
「気ながにやらなきゃいけない。」とキツネはこたえる。「まずは、おいらからちょっとはなれたところにすわる。たとえば、その草むらにね。おいらはきみをよこ目で見て、きみはなにもしゃべらない。ことばは、すれちがいのもとなんだ。でも、1日、1日、ちょっとずつそばにすわってもいいようになる……」
「おんなじじかんに、来たほうがいいよ。」とキツネはいった。「そうだね、きみがごごの4じに来るなら、3じにはもう、おいら、うきうきしてくる。それからじかんがどんどんすすむと、ますますうきうきしてるおいらがいて、4じになるころには、ただもう、そわそわどきどき。そうやって、おいらは、しあわせをかみしめるんだ! でも、でたらめなじかんにくるなら、いつ心をおめかししていいんだか、わからない……きまりごとがいるんだよ。」
「きまりごとって、なに?」と王子くんはいった。
「これもだれもわすれちゃったけど、」とキツネはいう。「1日をほかの1日と、1じかんをほかの1じかんと、べつのものにしてしまうもののことなんだ。たとえば、おいらをねらうかりうどにも、きまりごとがある。あいつら、木ようは村のむすめとダンスをするんだ。だから、木ようはすっごくいい日! おいらはブドウばたけまでぶらぶらあるいていく。もし、かりうどがじかんをきめずにダンスしてたら、どの日もみんなおんなじようになって、おいらの心やすまる日がすこしもなくなる。」
そして王子くんその通りにして、キツネを『なつけて』友達になるのです。
これって、現実の人間関係にも言えることだけれど、twitterにももちろん言えることだ。
なんとなく気になる→とりあえずフォローする→挨拶程度→たまに発言に食いついたり食いつかれたりするようになる→いつのまにか周りも巻き込みながら話が盛り上がる→あんたとはいい酒が飲めそうだぜ→友情
みたいな。
現実では、人間関係は少しずつ距離を詰めるものなのだけれど、ネットにはそういうコミュニケーションツールが今まで無かったんじゃないかと思う。匿名でない限りは、いきなり一対一で大人の会話をしなければならなかった。それってけっこう難しいことだ。そういう、いきなり高いところへ登らなければならないような状態を取っ払うのがtwitterなんじゃないのかなーとか思いました。段階的にコミュニケーションを濃くしていけるツールですね。
僕はなによりみんなで楽しく鍋がしたいですね。白菜を育てている人はtwitterにいないかな。