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笹倉及介の日記ブログ

天冥の標


小川一水の大長編小説です。全十巻らしいです。
注意として。この小説は、あとがきが下巻にあるんですが、それを先に読むのはおすすめできません。ネタバレではないですが、この作品に対してのハードルが上がります。


下巻まで読み終わってからの感想をひとことで言うと、「マジで!?」だ。一水先生、マジっすか。とても続きが気になる展開で終わるのに、更にあとがきで続きを楽しみにさせてくれる。


カドムが主人公かと思いきや、実はそうでもないみたい。いろいろなキャラクターが入れ替り立ち替わりに出てきて、ひとつの惑星の植民地であるメニー・メニー・シープの話が進んでいく。政治とか国とかが関わってくるんだけど、小川一水はこういうの好きですよね。レーズスフェント興亡記のときもそうだった。幻想架空歴史小説?みたいな感じでしょうか。


そうそう、アンドロイドと人間の恋とか、異種族と人間の恋とか、すごく好きです。いいぞもっとやれ。こういうのって、報われないことが最初からわかっているから、純粋であればあるほど切なくなってしまうよね。だがそれがいいんだよ。人間の本質を考えさせられる。


10冊中の2冊なのでまだまだ風呂敷を広げただけのようだけれど、十分この2冊だけでも面白かった。これからあと8冊も続けようものならどうなるのかまったく分からない。