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笹倉及介の日記ブログ

スズメ

一昨日に車で出かける用事があってゆっくりと駐車場から出発したら、正面にスズメがいて全く道を譲る気がない。そのとき、「スズメの子、そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を思い出し、ああつまりスズメは道を譲る気は無いのだ。こちらの圧倒的な質量をもってすれば強制的に譲らせることができるが、彼のほうが偉いのだ。そんなことを思いながら、ブイーンとアクセルを踏みスズメを轢こうと思った。いや、轢こうとは思っていないが、このまま進めば退いてくれるだろうと高をくくって車を進ませたら、いっこうに退く気がないようで、そのまま車の下の空間にスズメが入った。「おいおいホントに轢くぞ」と思った瞬間、飛び立ったので何事もなかったのだけれど、翼があるのだからもう少し積極的に飛ぶとかすればいいと思う。飛ぶと疲れるからなるべく歩くのだろうか。


そういったことがあった後、スズメに関して日常的に見たり聞いたりしているにもかかわらず、僕たちはスズメのなんたるかについて全く知らないことに気付いたのだった。聞いた話だが、スズメが金網を飛びながらくぐるメカニズムを解明すると、ネイチャーだかサイエンスに載るレベルのものらしい。実はよく分かっていない生物なのだろうか。あれほど生活に密着した野鳥であるのに、巣を見たことがないことも不思議だ。昨日はちょっとした寂れた動物園に行ったのだが、野鳥放し飼いの人間が入れるタイプの檻の中にスズメが居た。どういうわけで入ったのかわからないが、飼育されているわけではなく、勝手に入ってその後出られなくなったスズメらしい。とても不憫だった。スズメは僕たちから見ると見分けが付かずに全部がただのスズメだが、やはり要領が悪い個体と良い個体が居るのだろう。