科学と神秘のあいだ
- 作者: 菊池誠
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/03/24
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 188回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
たとえば、長く会っていない友人のことをふと思い出したちょうどそのとき、当の友人から電話がかかってきた、なんていうささやかな奇跡は、きっと毎日のように日本中のどこかで起きているに違いない。客観的には神秘でも奇跡でもないものが、個人にとっては神秘にも奇跡にもなる。そういう話をしようと思う。
これは本書の表紙を開いたカバーのところに書いてある文章ですが、これを読んだときに、「ああ、これは僕のために書かれた本だ」と思ったので、手に取りました。目を引くタイトルだし、表紙もかわいらしく、内容もとても素晴らしい本だったと思います。僕でなくとも、タイトルと表紙絵とこの上記文章があれば手に取ること間違いなしなので、webでの書評とか感想文なんておこがましい代物は存在を許されない。
タイトルや表紙ではそんなに読みたくならない、という人は、目次を見てみて下さい。
第1部 君と僕のリアル
- びっくりしても大丈夫
- 街と飛行船
- こわくっても大丈夫
- 幽霊はいないけどいる
- あやしくても大丈夫なはずさ
- 魔法を信じるかい
最初のほうを少し書いてみた。
目次を見て何か感じるものがあったよね?もうこれは読むしかないよね?本に呼ばれるよね?
とまあそんな感じでとてもツボにはまる本だったのだ。
サイエンスについてのエッセイだ。この人は科学とはなにか?ということをとても真剣に考えている人で、それを少しでも多くの人に伝えようとしているのがわかる本だ。とてもわかりやすい文章で、優しく語りかけるように科学とは何かということを教えてくれる。そして、科学と神秘は相反するものではなく、折り合いを付けられるようなものであるということも書いてある。
こんな文章を僕も書けるようになりたいと思う。内容だけではなく、文章自体もとても好きな本だ。興味がない人にも興味を持たせてしまうような影響力があると思う。科学を嫌っていた人にもお勧めの一冊。