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笹倉及介の日記ブログ

ミノタウロス

ミノタウロス (講談社文庫)

ミノタウロス (講談社文庫)


おもしろかったのかおもしろくなかったのか、そういうのはどうでもよくて、なんだか疾走感が気持ちがよい小説だった。話の筋はよくわからない。そもそも人名が覚えきれない。でも読んでいて気持ちがよい。そして読み終わって不思議な気持ちになる小説だった。主人公の語りで物語が進行するのだけれど、主人公が生まれる前の話を主人公自身が話しているし、死んでからも話している。この仕掛けは何か意図があるのだろうか。もう一度読んでみて検証してみたい。読書会の課題図書なので、もう一度読んでみるつもりだ。読み終えたら追記しようと思う。
細かいところが生々しくて、とても歴史小説とは思えない。現代のことを書いているように昔のことを書いている。作者は精緻に取材したのだろうか。こういった、念入りな取材や勉強をもとに書いたような小説は、自分の知識欲も満足させてくれるし僕は大好きだ。