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笹倉及介の日記ブログ

リアル書店の効能

この土日は書店を彷徨うという行為をした。欲しい本があったのだ。2冊あって、一つは雑誌だったから、どの書店にも最新号はさすがに置いてあるだろうと思ったのだけれど、置いてなかった。
「リアル書店は一つの書籍を買うという目的を持って行ってはならない」というセオリーを心に刻み込んだことがあり、ネットで知ったものをリアル書店に要求してはいけないとわかっていたはずなのに、今日も同じミスをしてしまった。ネットで知った本をリアル書店に買いに行っても、売っていたためしがない。僕はリアル書店に過度な期待をし過ぎていると思う。なぜこんなに何度も裏切られて信頼してしまうのか。田舎だから品揃えが今ひとつなのだろうか。ここらで一番の大型書店に行ったのに。

それはそうと、僕はリアル書店を彷徨っているうちに、自分が今どういうことに興味があるのか、以前どういうことに興味があったのか、どのような学問を修めどのような専門的知識を有しており、社会の中でどのようなポジションなのか、ということを知ることができたのだ。

小説のコーナーの好きな作家はほとんど読んだことがあるものだった。大学受験は過去のものなので、大学受験のコーナーには見向きもしない。専攻の専門書は耳慣れた単語がたくさん。地図や旅行のコーナーでは今まで住んでいた地域には興味が無い。PCやデジモノ雑誌の情報はネットを見ているから開くまでもなく最新の情報を知っている。以前は読んでいたけれど最近ラノベは食傷気味。仕事で必要だから英語を勉強しなきゃいけない。プログラミングにも興味がある。本当に興味があるのは地質とか環境問題。バイクに乗りたい。写真が撮りたい。建築の歴史とかおもしろそう。いまの仕事の業界の未来がちょっと暗そう。これから家庭を持つことになるのかなぁ。僕の住んでいるところは田舎だなぁ。そんなことを思っているうちに、曖昧だった自分が、まるでジグソーパズルの周りのピースを全部埋めることによって、探していたピースの形がわかるように、自分のカタチがわかったような気がしたのだった。

思うのだけれど、自分がどういうやつなのか、ということを知るには、つまりは「自分探し」にはバックパッカーになって一人旅よりも、リアル書店、それも大型書店に行くと良いのではないか。自分は過去何をやってきて、これから何がやりたくて、自分の知らないことがどれだけあるかを知ることができると思うのだ。過去にやってきた分野だがもう熱が冷めてしまったものの最新情報をパラパラと読んだり、これからやってみたいことの情報を得てみたり。とても楽しかろう。未知の世界が無限とは言わないが、少なくとも本の数だけ広がっている。

ただし、しっかりと読み解くこともせずにパラパラとうわべだけをかすめ取るような読み方をあまりにやりすぎると、副作用もあるような気がしている。書店の本をすべて把握し終えたとき、世界のすべてを知り終えて、もう自分の興味が無くなってしまったと勘違いしがちなのではないか。「この世に自分の知らないことはないし、もし知らなくてもすぐに知ることができる」という全能感は、生きていくことをとてもつまらないものにしてしまうだろう。これはネットをやっていても同じことが言える。RSSをさらりとたくさん消化することで世界を知った気になることができるが、実は何にもわかっていない。ただ単に刺激的な情報が頭の中を通り過ぎたというだけであって、娯楽としてはよいのだけれど、何かをわかった気になっていてはいけないのだ。

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