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笹倉及介の日記ブログ

夜の散歩にて

徐々に暑さが和らいできて、夜はもう涼しい。昨日などは空気もひんやりとしていて、おぼろ月が綺麗だったので、夜の散歩に出かけたのだった。次の日に有給休暇をもらったというのもあって、気分が良かったので、ここは散歩にでも行ってみようか、と思い立ったのだ。

特に目的は無いので、適当に30分くらい歩いた。最初は良い気持ちだなーと上品にスタスタ歩いていたのだけれど、だんだんなんだかテンションが上がってきて、スキップしたり、手をぶんぶん振ったりと、なんだか一人遊びを始めてしまった。夜中の農道は誰も居ないし暗いので、何をしても目立つことは無い。開放感を感じながら、思うままに動き回った。挙げ句の果てに、飛び道具を練習しだしたのだった。かめはめ波のような気功弾的なもので車を吹き飛ばす妄想だとか、腕を鋭く振って水平チョップを繰り出せば真空波が飛んでいって木が真っ二つになる妄想だとかを繰り広げ、満足して帰宅した。そのときはなんだか手から出そうな気がしたのだ。というより、どうしても飛び道具が自分の手から出ないのが不思議でならない。これは僕でなくても誰でもすることなので、決して僕が変なやつというわけではないので誤解しないでもらいたい。

男性における飛び道具に対する憧れは異常である。それは男の子に限らず、成人男性にも当てはまる。自分の安全を確保しながら相手を攻撃できるという特性は、人類が生存するために、効率的な攻撃手段を用いることが欠かせなかった時代から、進化が僕たちの脳に埋め込んだ習慣なのだろう。

夜の散歩は楽しい。誰とも合わないし、誰からも見られないのが良いのだろうか。思考に集中出来るのか、色々なことを思いついては忘れる。何か面白いことを考えていたのだけれど、どうしても思い出せなかったりする。歩きながら夢を見ているようなものである。だから楽しいのだろうか。適度に体を動かすのも良いのだろう。運動した方がやる気が湧いたり、思考がまとまったりするらしいと何かに書いてあった。精神的にも、肉体的にも、良いことだらけ。でもあまりたくさんの人がやり始めて夜の散歩ブームがきたりしても困る。誰も居ないところを歩きたいので、やるのは自分だけで良いのだ。