hakanashika

笹倉及介の日記ブログ

同期が辞める

同期が辞める。
公務員試験に合格し、来年の採用が決まったらしい。人知れず勉強をしていたらしい。
それを聞かされて、とてつもない不安に襲われ、気持ち落ち着けるために何かを書こうと思った。

同期が辞めることについては、寂しい、というよりは、先を越された、という思いが強い。僕も転職を考えたことがあった。何度もあった。仕事がとてつもなく嫌で、将来性もずっと嫌な仕事であることが予想され、何のスキルも得られないような気がしていたので、転職してやろう、と思ったのだ。でもそのたびに、「じゃあ何に転職する?」という自分への質問で答えが見つからなくなり、結局何もせずに今に至る。やりたいことがわからない。僕は何に情熱を傾ければよいのか。何で生きていくべきか。もうそろそろ転職適齢期なので、決めなければならない。「30代は人生において重要だよ」と知り合いが言っていた。

一応、そのとき無かった結論が今はある。方向性だけだが、「環境系をやりたい」ということが決まった。まずは一般教養を、ということで、環境系の資格の最も易しい資格であるエコ検定の勉強をして、一応合格。それ以来、転職に繋がるような、資格の勉強とか語学の勉強などは何もしていない。次につながらないまま、どんどん時間が過ぎていく。結局、「明日から、明日やればいいや…」と先延ばし、先延ばしにして何もしていないダメなやつである。自己嫌悪にさいなまれつつも何もしない日だってある。そして更なる自己嫌悪。

転職を考えるにあたって、公務員という選択肢を思いつかなかったのだけれど、同期が転職すると聞いて、「そういう選択肢もあったのか」と思ってしまった。全く思いついていなかった。最初から選択肢から除いて考えていた。

なので公務員について調べたりもしてみた。

経営難の会社にだらだらと残っていても何か良いことがあるというのか。偉くなってもしょうがないのでは無いか。今の仕事は何のスキルにもならないし、辞めたら何も残らないような気がする。

でもまあ、今の職場は時間的にも体力的にもそんなに負担はないし、やっていることは糞みたいなものだけれど、人間関係は良好なので、あまり苦ではない。糞みたいな仕事でも、仲良くみんなで愚痴を言いながら働くのは割と楽しい。これは結構重要だと思う。

そんなことを色々と考えて、僕は会社を辞めたいわけではないということに気づく。仕事は全く面白くないし、将来の自分をイメージしてみると、吐き気が出そうになることもあったが、まあまあ何とかやっていけるんじゃね?と思うようになった。それに嘘はない。最近やっとそういう気分になれた。

僕の悩みは、ただただ将来が不安ということだ。会社は経営難だし、できる人はどんどん引き抜かれて行くし、この先の会社の将来は不透明極まりない。夢も希望もない会社である。あとは赤字と黒字を繰り返して、かつかつの経営状況、徐々に体力が無くなっていき、どこかで限界が来る。つぶれるときはつぶれる。会社をつぶす前に従業員を削減する。

そういったときに、僕は次の職場で何かやっていく自信が無いし、転職できるかどうか危うい。結婚もしたい。趣味を楽しみたい。僕は不安のない人生を歩みたいのだ。人生を楽しみたい。

そう考えた。ああ将来が不安だ。

なぜ今ある問題ではなく、未来に訪れるだろう問題のことを不安に思ってしまうのだろうか? 現状が幸せで満ち足りているものであり、それを失いたくないという気持ちなのだろうか。「津波で何もかも無くなって沢山の人が死んだのに、(放射線の被爆では)誰一人死んでいない原発のほうが大騒ぎされている」というのと似ている。

僕も公務員試験を受けてみるかなぁ。公務員には年齢制限があるのでラストチャンスだ。「だめもと」でやってみるか。勉強時間は貴重なものだけれど、家でだらだらとインターネットをしているよりは、まだ生産的だと思う。試験を受けるだけならば、ノーリスクだ。最近勉強する習慣がついたことだし、先延ばしにしていたとはいえ、エコ検定を取った後は何を勉強しようかと思っていたところなので、タイミングが良いといえば良い。
むしろ運命的なタイミングかもしれない。公務員ラストチャンス。転職のための勉強のネタを探していた。仕事も慣れてきて残業時間も減ってきたので割と時間が取れそう。と、条件が揃っている。きっと今までの「なんちゃって」資格勉強なんかよりも身を削るように勉強しなければならないと思う。一日2時間、週末は体力が続くまで、とかそんな感じ。できるかなぁ。時間的にはできそうだ。あとはやる気の問題である。