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笹倉及介の日記ブログ

グラデーションな考えかた

人間の目は最大一千万色を見分ける分解能力があるが、これはある程度訓練を受けた人間でなければ意識することも出来ず、前述の虹がスペクトルの画像にしめした色彩変化のように連続した変化であるので実際にはきわめて多くの色を含んでいるのに、七色(日本での色分け:赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)と表現することにも現れている。
グラデーション - Wikipedia

人間って、何も考えないと原色しか見ない傾向にあるよなー、と思った。

2chをぼんやり見ていたら、ライトノベルを叩くような書き込みがあって、とある作家はラノベだとか、ラノベじゃねーよとかで戦っていて、僕はライトノベル板に常駐していた経歴もあるから、かの有名な「あ(ry」というのが頭に浮かんだ。
「あなたがライトノベルと思うものがライトノベルです。ただし、他人の賛同を得られるとは限りません。」
ライトノベルの定義というのはとても曖昧で、レーベルであるとか、中高生向けであるとかないとか、オタク受けしそうなイラストが用いられているものとか、いろいろな説をいう人がいる。

ラノベなのかラノベでないのかよくわからないような本があるとする。原色しか見ない人は一つの要素がラノベの定義に当てはまるとして、「この本はラノベだ!/ラノベではない!」と決めつける。中間色まで見えるような、訓練されているひとは、いろいろな要素から簡単には判断できない「この本はラノベ色が強い」というふうになる。

こういうジャンル闘争が昔から好きではないのは、定義が曖昧なのに勝手に決めつけることが多いからなのだと思う。

なんにでもグラデーションがあって、原色だけではないということがわからないといけない。これは知識を深めないとできないことなのだろうと思う。大学で勉強していたジャンルについて、だんだん解像度が高まっていき、中間色が見えるようになったものだなぁ、と思い出した。

わかりやすいことを言う(つまり原色しか見せない)政治家とかも注意しないといけない。そんなにわかりやすく事が運ぶなら、日本は低迷してません。現実はもっと複雑でいろんな中間色が交じり合って混沌としているのだ。

どうでもいいけど、原色の車に乗りたい。黄色か赤がいい。