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笹倉及介の日記ブログ

世の中の物はほとんど石油から出来ていた。食べ物も石油だった。つまり人間は石油だった。

最近、ひょんなことから工業化学に触れる機会があって、勉強してみたんだけれど、大概の化学物質は石油由来ということを知った。まあ以前からもぼんやりと知っていたのだけれど、体系的に細かいところまで知らなかったものだから、ちゃんと勉強してみると、刺激に満ちた内容で、とても面白かった。ほとんどの工業製品は石油無しでは作れないけれど、まさか食べ物まで石油を原料にして作っているとは思わなかった。まあ正確には食べ物となる植物を作るための肥料を石油から作っている。以下、物凄く大雑把な説明というか自分用メモ。

原油。これは地下から掘り返したままのものを言う。これを精製して、様々なものを作り出す。ジェット燃料やガソリン、灯油、舗装道路に使われているアスファルト…この辺が有名か。主に化石燃料として精製されるほかに、様々な化合物も取り出すことが出来る。石油というのは炭素と水素で炭化水素という物質が大部分だが、これを原料にして、水素を取り出し、空気中の窒素と反応させることで、アンモニアを作ることが出来る。石油と空気中の窒素からアンモニアを作る方法は、ハーバー・ボッシュ法という。窒素を含む化合物はこの方法から出発して、様々な過程を経て製品となる。そして、アンモニアは肥料のなかでも重要なものの原料になる。

肥料はなぜ必要なのか。植物にはそれぞれ固有にタンパク質を持っていてそこに含まれるアミノ酸には窒素が含まれている。つまり、窒素無しでは植物は育たない。植物は空気中の窒素を吸収するわけではなく、土の中の硝酸アンモニウムや塩化アンモニウム、尿素といった形での窒素を吸収するので、生長した植物を収穫すると、土の中の元素が持ち去られることになり、土の中の元素の自然の中での循環が中断される。なので、それらを肥料として与える必要がある。アンモニアを原料として、こうした窒素の含まれた肥料を作ることが出来る。

自分の口に入る野菜や米などに石油由来のものが含まれているというのは気持ち悪く思う人もいるかも知れないが、肥料がなければ食べ物を作るための効率が劇的に落ちるので、人間はほとんど飢えて死んでしまう。これだけの人口を維持できており、僕たちが豊かな生活を送れているのは、肥料があるためだったのだ。

植物を栽培する肥料になるということは、それを原料とする衣服にも石油が含まれているということになる。化学繊維ではなく、木綿や絹も原料は植物であり、植物を育てるには肥料が必要になり、肥料を作るには石油が必要、というわけだ。家畜も肥料で育てられた植物を食べて育つのだから、石油のお世話になっている。

ということで、僕は石油から作られた合成人間だった。

このことから思うことは、石油作った地球すごい、ってことと、それをここまで利用し尽くす人類すごい、ってことです。
そして学んで良かった工業化学。勉強前後で明らかに世界を見る目が変わった。世の中の理(ことわり)がわかった気がするぜ。
勉強は下記の本を使いました。そんなに難しくなく、概論という感じなので勉強しやすかった。

無機工業化学

無機工業化学

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