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笹倉及介の日記ブログ

「裏山の奇人」読んだ

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

すごい。この本はすごい。非常に面白い。久しぶりに、良い本に巡り会えたなぁ、という感じ。
昆虫の研究者の人のエッセイのような研究報告のような内容なんだけれど、とにかく文章が上手くて面白い。北杜夫の昆虫エッセイとか、森見登美彦の腐れ大学生物語とかがごちゃ混ぜになったような文章で、内容も、カラスをだますために冬のグラウンドにずっとうずくまっていて母に呆れられたエピソード(しかも筆者が大学生の頃)とか、ホントかよと思うような鳥や虫や裏山の生物についてのエピソードが沢山書かれていて面白いばかりか、美少女ゲームにハマっていたり、昆虫を擬人化美少女化してみたり、漫画のセリフがところどころ登場するわでどうも筆者はオタク文化に教養が深いようで、文章は古臭いのに、笑いあり教養ありで久しぶりに大満足の一冊だった。虫や生き物好きだけでなく、腐れ大学生の面白いエッセイとしても面白い。とてもオススメな一冊。