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笹倉及介の日記ブログ

超能力を仕事にしたら

ジョジョの奇妙な冒険第4部に「重ちー」というという人物が居る。
この漫画の登場人物はそれぞれスタンドという特殊能力を持っていて、重ちーはハーヴェストという能力だった。昆虫のような小さなスタンドを無数に出す。自分と同じくらいの人型のスタンドを使う人物が多いなか、重ちーのスタンドは特殊な存在だったし、かなり強力なスタンドとして描かれていた。
僕はこのスタンドが欲しかったのだった。なぜか。重ちーは作品の中で、無数のスタンドを働き蜂のように使いこなし、街中の落ちている小銭を回収し、それを積み重ねてそれなりの金額を稼いでいたからだ。まさに濡れ手に粟。超不労所得。努力せずしてお金を稼ぐことができる。
そういうことを考えながら、会社に通勤する途中であった。会社員は誰だって超能力を妄想しながら通勤する。
そこで僕は閃いた。僕がハーヴェストを使えたら、多くは重ちーと同じように小銭を集めると思うが、気が向いた時にはポイ捨てされているゴミを拾ったりして街中をキレイにしても良いかもしれない。だって他の人よりも圧倒的に楽な方法でゴミを拾うことができるので、そのくらいの善行などわけない。スーパーセレブが資産の一部を慈善事業団体に寄付をするのと同じようなものだ。
おそらく、超能力で何かを拾える人が居たら、ゴミを拾ってゴミ箱に入れるくらい、みんながすることだろう。
と、ここで会社に着いた。

「超能力で何かを拾える人」を集めて、ゴミ収集の会社を作ったら、どうなるだろうか。

ゴミは金になるものもある。古新聞、古雑誌、古本、貴金属やレアメタル、アルミニウム…きちんと分別すれば、売れるものばかりだ。ゴミは宝の山となる。街中のポイ捨てされたゴミを集めれば、街もキレイになり、社会貢献にもなる。素晴らしい事業の会社が出来上がる。
一方、超能力者たちは、1日8時間、週5日でゴミを拾うことになる。どのようにゴミを拾ったら効率的かを考え、利益を優先して行動するようになる。気が向いたらゴミを拾っていた人は、仕事になった途端に嫌になってしまうに違いない。でも生活のために、そこそこの給料で我慢しながらゴミを拾うだろう。
僕は今ブログを書いているけれど、これは気が向いたから書いているだけなのであって、好きでやっているんだけど、1日8時間週5日でブログを書いて収益を上げろと言われたら嫌だろうな…。

結論:好きなことでも、週に5日、一日8時間でやり続けてお金を稼ぐことになると嫌になる。

会社=超能力者

逆に言えば、会社というのは一般市民をまとめ上げ、分業と組織力で超能力的なアウトプットをするためのものなのかもしれない。病気を治す、遠くの人に意思を伝える、遠くまで移動するなどは、超能力的ではなくても現実に可能だ。だがそれは、個人の力ではなく、分業によって可能になっている。