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笹倉及介の日記ブログ

ご冗談でしょう、ファインマンさん

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

たいへん面白かった。ファインマンさんは素敵だ。こんな人が身近にいたら、毎日が楽しくてしょうがないと思うし、僕もこういう風になりたいと思う。

リチャード・P・ファインマンの自伝です。ファインマンさんは、茶目っ気たっぷりでいたずら好きで、何にでも好奇心旺盛で、ひねくれていて、とりあえず他人の言うことの逆を考え、それでいて頭も切れてしゃべりも上手く、教え方も上手いという物凄い人です。
この本は別にファインマンの専門である理論物理の話ではなく、エッセイなんだけど、それにしても物理学者にこうも面白いエピソードがあるとは…。事実は小説よりも奇なりというか何というか、アメリカンジョークを本当に実行するような人で、完全に物語はこの人を中心に回っているようだ。彼の周りでは面白いことがたくさん起こる。それは、彼が「面白いことをやってやろう」と常に考えていて、それでいて行動力もあるし頭も切れるために、いろいろな人やモノが集まってくるからだろうと思う。

職場の鍵付きのロッカーの錠前が、ちょっと頭を使えば簡単に開いてしまうという問題点に憤慨したファインマンさんは、そこらじゅうのロッカーを全て開けてしまったりします。
女の子を口説くためにはどうすればいいかということに悩んだりもする。
教育論について語ったりもする。教科書がクソだと憤ったり、教え方に問題があると憤ったり。
とても面白い。声を上げて笑うところもあったし、こいつは真理を突いているぜ、と唸ったところもあった。

僕の言葉よりも、ファインマンさんの言葉を直接読んで欲しい。引用してもいいんだけど、ちょっと付箋を貼ったところが多すぎる。いずれ別の形で紹介したい。

そうそう、物理法則はいかにして発見されたかという本もあって、これもファインマンさんの話なんだけれど、これはエッセイではなく、ポピュラーサイエンスというか、現代物理学についての本当に分かりやすい話なので、こちらもおすすめ。