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笹倉及介の日記ブログ

夜勤で裏返る世界

仕事で夜勤を経験した。夕方、まだ明るいうちに仕事に行き、朝になってから帰宅する生活だ。


僕は今までの人生で、夜通し起きていたことが数えるほどしかなかったので、夜勤開けの眠気と疲労が溜まりすぎてフワフワした感じが面白くてしょうがなかった。仕事明けは現実感が全くなかったし、しばらく寝ても、なんだか眠った気がしない。でもしっかり眠気は取れていて、また次の夜勤に向かうという感じだった。いろいろなことが不思議に思えてきて、変な感じになったのだ。裏返っているのは自分の生活ではなく、自分以外なのではないか? 鏡面世界とか、パラレルワールドに生きている感じがして仕方がなかった。もしかして自分は異世界に迷い込んでしまったのではないか。コンビニの店員さんも、実はそういう風に演じているだけの全く別の生きものなのではないか、それを知ったらしまわれてしまうのではないか、などと思ったりした。


休みの日もあったが、休みが終わったらまた夜勤だったので、リズムを崩すとまずいと思い夜勤の生活リズムのまま過ごしていた。交代勤務なので、土日じゃなくても休みだったり、逆に土日でも仕事だったりする。そのせいでアパートの駐車場に僕の車だけが残っていたり、逆に僕だけが出勤したりするんだけど、それにいちいちテンション上がっていたものだ。他の住人が働いている間、僕だけが休みであるということは面白くてしょうがない。でもなんだかすごく寂しかったりもした。


休みの日に昼間に寝て、夜の間起きているということは、実は物凄くしょんぼりする。やっぱり人間は日に当たらないと元気がなくなるのではないか。コンビニしか店が開いていないというのも良くない。コンビニで食べ物を買うようになると、楽ではあるが、食生活が貧しくなるしコストは上がるしでいいことはあんまり無い。夜は静かだけれど、孤独でもある。自分の照らした範囲しかわからない。外に出ても何も無い。あるのは夜だけだ。


仕事の日は、仕事の日で、夜を経験しなかった。どういうことかというと、明るいうちに仕事に行って、明るい場所で仕事をして、仕事が終わったら朝になっていて朝日が憎い、ということです。三日間仕事が続くと、三日間ずっと明るい場所で過ごすということになっていた。これはまったく気が狂いそうになったものだ。昼が来ないと元気が出ないが、夜が来ないと安心できない。太陽はもうちょっと僕に対して優しくなってくれてもいいと思う。松岡修造がずっと隣にいたらうんざりすると思うけれど、週一で励ましてくれるんなら、まあ頑張る気にもなるかもしれない、みたいな? つまり太陽はちゃんと一日一回沈まないと駄目なのだ。
人間は、昼に日の光を浴びて、夜が来たことを確認してから朝が来るまで寝るという生活が一番だと思う。


そうそう、夜にずっと起きていても、twitterなどでみんなの雑談を見たり、自分もそれに加わったりしていたら、全く寂しくなかった。でも僕のタイムラインに現れる夜型の人は、僕みたいに太陽が憎くなって夜が恋しくなったり、夜の孤独に耐えきれなくなったりということはないのだろうか。