かのこちゃんとマドレーヌ夫人
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/01/27
- メディア: 新書
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児童書らしいが、この本は大人でも楽しめるし、感動があると思う。お勧めしたい本だ。
かのこちゃんは小学一年生で、マドレーヌ夫人は猫だ。人間と猫の関係だけれど、とてもいい関係です。マドレーヌ夫人は人間の言葉が分かるけれど、かのこちゃんは猫の言葉が分からない。でも、この二人の関係はとてもいい。人間と動物の絆だ。そういえば、人間と動物とか、人間とロボットとか、そういった異種間の絆ってやつに僕はとても弱いのだった。この本を選んだのは本当に何故か引かれたからで、マドレーヌ夫人が猫だということも知らずに買ったのだけれど、かなりツボだった。これを本屋で買ったときは、僕の勘が冴え渡った瞬間だった。
かのこちゃんだけではないのだが、小学生が出てくる。この小説は、小学生のよく分からない行動がたくさん描かれているのだが、これまたとてもいい。物語としてこの変な行動がポイントになっている。ああ、そんなことやったなあ、と思いつつ、ニヤニヤしながら読んでいた。セピアでノスタルジックな笑いだ。「鼻てふてふ」とか、不思議な響きの言葉に興味を示すところとか…、なんだか微笑ましいし、過去にそんなことがあったなあと思えるような内容だ。
マドレーヌ夫人は夫人であって、ということは、夫がいるわけである。その夫のことは、あえてここでは言わないけれど、そこが一番良かったところだと思う。夫婦愛っていいですよねぇ。泣けてしまうよ。
そういえば、あまり関係がないのだが、恋人同士だと引き裂きたくなる気持ちがあるのに、夫婦になると、お幸せに、と思うのはどうしてなのだろうか。