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笹倉及介の日記ブログ

そこに山が無ければ

山が邪魔なんだ。


最近、登山帽を買った。登山をするために買ったのではなく、単に日差しを避けるために帽子が欲しく、気に入ったものがたまたま登山帽だったというだけだ。しかし、これが登山帽かー、と思うようになり、登山を意識するようになると、なんだか周囲に登山をしたい、登山をした、登山部だった、という人が現れるようになった。ゴロゴロ見つかる。ただ僕が注意を払っていなかっただけだが。


登山に興味は無い。
ただし、山の向こう側に何があるのか?ということには興味がある。確かめるために、車で山を回り込んで反対側まで行ったことはある。しかし、自分の思い描いていたものとは、どこか違う。山の向こうに行けば、さっきまで居たところが今度は山の向こうになるのだから、あまりすっきりしない。僕の想像どおりの、「山の向こう」を確かめるためには、頂上に登らなければならない気がする。山が無ければ、そんなことは思わないのに。


だから、別に有名な山に登山に行こうとは思わないけれど、いつも僕の視界を塞いでいる近所の山には、登ってみたいと思う。

登山をする理由としての「そこに山があるからだ」というのは、「高いところに登りたい」というわけではなく、「山が邪魔なので、登らないと向こうが見えないのだ」ということなのではないか。極端に例えると、「鍋の中身が気になるから蓋を開ける」というのと同じかも。山=鍋の蓋である。山(蓋)で向こう側(壺の中身)が隠されている。