hakanashika

笹倉及介の日記ブログ

絵を描いたら楽しかった

芸術の秋だ!よし絵を描こう!と思い立ち、謎のモチベーションが湧き上がる。次の日にはクリップボードとコピー用紙とボールペンを持って公園に出かけたのだった。そうして、スケッチをすることになった。

スケッチというのは、絵を描く技術よりも、ものをよく見るということが重要らしいので、ろくに絵を描いた経験が無い僕でも、きっとできるはずだ!という今考えるとよくわからない自信があった。だって絵を描かないにしても、ものはしょっちゅう見ている。寝ている時間以外はだいたい見ている。なのでおおむね見ることは得意なことのはずだった。むしろ見飽きていると言ってもよいくらいだと思う。

そういうわけで、風景をつぶさに見て、紙に写す。これが意外と難しい。書き始めは何から書いてよいのかわからなくなる。ボールペンで描こうとしたのは失敗だったかもしれない。消せないからだ。僕はボールペンの消せないゆえに消しゴムが必要なく、ボールペン一本もってどこでも行けるという性質が好きなので、ボールペン以外の選択肢はあえて選ばなかったけれど、今回ばかりはやっぱり鉛筆なんかを持ってきた方がよかった。

景色を見てそれを写すことは、面白いものである。「カメラで写真を撮った方が早くね?」というよくわからない理論は大間違いであることに気づかされる。「そっちの方が情緒があるではないか」という理論とも違う。普段の人間の視覚はかなりデフォルメして投影しているような気がする。映像を簡素化して特徴をおおざっぱにとらえるようになっているのだろう。絵に描くことで取りこぼした詳細の情報が戻ってくるような感覚があった。人間の目は実際にあるものを見てはいないのだなぁ、ということを実感した。

書き始めは悩んだけれども、とりあえず適当に線を走らせてみると、だんだん形になっていき、そこそこ何を書いたのかはわかる絵になった(ここへuploadはしない)。なにか自分で作ったものが形に残るのは良いものだ。