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笹倉及介の日記ブログ

イン 盆地

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ここ最近、連休があったりすると海を見に行くことが多い。海が見たいから行くこともあるし、別の目的があって海沿いの町に行くこともある。そこで思うことは、海沿いの町がとても素敵なところだということだ。

僕は盆地に暮らしている。盆地というのは、山に囲まれた土地のことだ。壁のような山が周囲にそびえ立ち、さながら巨人から攻められるのを防いでいるかのように高く連なっている。そのおかげで空が狭いし、夕焼けや朝焼けになる時間も少なく、すぐに日が暮れてしまうのである。また、周りが陸地のため、朝晩の温度差が激しい。海というのは、温まりにくく冷めにくい性質を持っているため、温度変化が緩慢なのだけれど、陸地は暖まりやすく冷めにくいため、夜は寒くて昼暑い。夏は夜涼しくて良いかかと思えばクーラーが必要な程度にはちゃんと暑い。

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海はいい。開放感がある。盆地に住んでいると水平線とか、油断すると一生見ないことになってしまう。たまには水平線を見ておいたほうが良い。稜線も悪くは無いけれど、真っ直ぐでない。真っ直ぐなのは、気持ちが良い。真っ直ぐと言っても地球が丸いので、ほのかに弧を描いているのがわかる。丸いというのは、すみっこがないということだ。盆地にはすみっこがある。重箱の隅をつつく作業も海沿いの町は出来ないわけで、人間がおおらかになるような気がする。盆地に住んでいると細かいことを気にしすぎるようになってしまう気がする。山脈は考えてみれば、僕たちを閉じ込める壁だ。実は巨人によって箱庭に閉じ込められて飼われているのではないか。

本当に壁のような山脈を間近で見ると感動するし、これが自然に出来た建築物だと思うと、大地のすごさを感じずには居られない。山はいい。高い。登ると眺めが良いし、登らなくても何となくシンボルになる。でも盆地はいただけない。山に登っても反対側の山が見えるだけである。山に登って、そのまま位置エネルギーを利用して山を下ったら、反対側の山に着くはずである。でも実際は着かない。摩擦があるからだ。摩擦は実はいろいろ仕事してる。摩擦はすごいし、実はよくわからないことが多い。
よくこんな山に囲まれた土地に大昔の人たちは住もうと思ったものだ。まず、見つけたのがすごい。山脈の周りを一周して盆地に入れそうなところを探したのだろうか?