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笹倉及介の日記ブログ

おじいちゃんメソッド


正月に祖父の家に行くといろいろな話を聞いた。祖父はライフロガーであり、趣味人だった。僕が生まれる前から日誌をつけており、それは一日一行程度の簡単なものだったのだが、それでも50年以上続けていたらしく、膨大な量になっていた。そして、それを頼りに記憶を手繰り寄せ、自分史だとか回顧録というようなものを作っていた。僕はそれを読ませてもらった。A4にして50枚くらいの文章で祖父の生まれから今までの歴史や、趣味について、自身の考えなどがまとめられていた。ボケ防止と自己満足で作っているそうだが、僕には大変価値のあるものであると思ったし、面白かった。僕が生まれる前から続く祖父の超長期的趣味や、歴史や文化などを知ることができたのだ。思ったままを伝えたら、祖父は大変喜んでいた。余談だが、祖父は最新パソコンを使いこなし、自分史を作っていたのだが、ネット環境には無かった。祖父曰く「電話でこと足りる」。祖父のグーグルは電話帳だった。

祖父は大変気の長い趣味を持っていて、毎年同じところに写真を取りに行ったりしており、ちょっとずつ出来ていく橋やビルディング、街のちょっとした変化などを楽しそうに語った。その趣味はじいさんがじいさんの時に始めた。今でもじいさんだ。僕とは生きるスケールがぜんぜん違うことに驚かされた。祖父の使っている電気座布団は、僕が小さい頃にそこあったような気がしたのだった。

僕は日々を記録することを学んだ。短期的には何もなくとも、長期的には何か面白いことがわかるかもしれない。