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笹倉及介の日記ブログ

亀、蛙、あと薬缶

寒いですねぇここ最近とても寒い。僕の住んでいる場所はとても寒い。標高も高い。雪だって降る。なので、朝の出勤時、車がカチコチと凍っています。車だけでなく、僕の住んでいる部屋もカチコチに凍る勢いで、朝起きると温度は4℃とか、そんなもんだ。そういうわけで、僕はギリギリまで布団の中に居るものだから、出勤時は慌ただしいので、助手席には薬缶が鎮座ましましている。
どういうわけかというと、つまり簡単なことなのだが、薬缶にお湯を汲んで、フロントガラスにぶっかける。凍っているのだ。凍っていると真っ白で視界が悪く、とても運転できない。お湯をかけても、そのお湯が端から凍っていくのだが、それでもかけないよりは、かけたほうが早く視界が得られる。南国の人には想像もできないかもしれないが、そうなのだ。本来のスマートな手順としては、出かける5分前にエンジンを掛け、車を温めておくものなのだが、ただでさえ慌ただしい朝の出勤時にはとてもそういった悠長なことをしている暇はない。薬缶にお湯を入れ、フロントガラスにぶっかけて、空の薬缶を助手席に置き出勤する。

そういうわけで、僕の車には、だいたい薬缶が置いてある。

あと、後部座席には亀のぬいぐるみがある。これは祖父と祖母が、「ゆっくりのろのろ安全運転で行くのだ」という心がけを保つために置いたのだ。これは誰かを載せたときに、話の種になりもし、わりと女子ウケが良いので重宝している。結構かわいい感じの亀のぬいぐるみなので、渋滞にハマってイライラした時などは、撫でることにより心の平穏を保っている。薬缶よりも長い期間車に居座っているので、かなり色あせているがまだまだ現役である。

最近になって、蛙の木彫りが車に乗るようになった。これは手のひらに乗るくらいの小さいサイズながら、一番威圧感を漂わせている、とても存在感のある彼で、全然可愛くないし、無骨だし、なんだか気持ち悪い。しかしながら、これも祖父からもらったのだが(亀は父型の祖父、蛙は母方の祖父だ)これが一番演技が良い。つまり、「無事帰る」カエル、というわけだ。験担ぎで置いてある。祖父が彫ったものだ。

そういうわけで、僕の車は相当じじいくさい。そして、僕の運転は、薬缶により視界を保たれ、亀により平穏を保たれ、蛙により無事に帰路に着くというとても安心安全な旅路になります。ちなみに車に書かれている定員は5名なので、もう一人乗れます。同乗者は祖父さんの話ばかり聞かされることだろう。