「推定少女」を読んだよ
- 作者: 桜庭一樹,高野音彦
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2004/09
- メディア: 文庫
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「いまこんなに苦しいこと、あとほんの何年かして大人になったら、忘れちゃうのかな? それで、いいわねぇあれぐらいの年の子、悩みなんてなくて、なんて平気で言えるようになっちゃうのかなぁ?」
ぼくは首をかしげた。そして、自分はぜったいに忘れないと思った。それにあのおねえさんだってきっと、自分の部屋に、十五歳のとき苦しかったことの証となる品を大切に持っているんじゃないかなぁ。日記とか手紙とか、その子にしかわかんない何かを……。
「おねえさん、十五歳のとき楽しかった? 悩み事、なかった?あったでしょ」
問われたおねえさんは、遠い目をした。
「十五歳だったときの自分に、あやまって」
ごめんなさい、十五歳のときの自分。ごめんなさい。本当にごめん。忘れていたことを思い出した。そして、ありがとう。思い出させてくれてありがとう。
桜庭一樹は、思春期の女の子を描くのがうまい。天才。ほんとに凄い。男なのに何故か共感できてしまう。
大人はすぐに決め付ける。大人はすぐに子供を否定する。お前らも子供だっただろうが。何故子供の気持ちがわからない?と、そんな子供時代のことを思い出した。でも具体的な青春イベントは僕にはなかったなぁ。