宇宙を復号する
宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号
- 作者: チャールズ・サイフェ,林大
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 単行本
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改めてこの本について書く。一気に悩みが吹き飛んだ一文については以前のエントリを参照していただくとして、ただいつも通り本について感想を書くことにする。
相対性理論、量子論、ブラックホール、ビックバン、そういう宇宙論についてのノンフィクションです。まあ、僕の好きなジャンルだ。でもこの本はちょっと切り口が違っていて、情報理論から宇宙を説明していくというスタイルだ。情報理論の歴史から始まり、エントロピーや波動方程式の話、光の波動性と粒子性についてなどが情報理論として説明されていく。量子コンピューターの話もあった。これらの話はとても奥の深いもので、それだけで一冊の本になるくらいのボリュームがあるので、要点だけをさらっとながして情報理論と関連づける程度で収まっている。
それでも、今までとは違う切り口ということもあり、いろいろな「気づき」を与えてくれる本で、今まで点と点だったものが一つの線に繋がったような感覚だった。宇宙論をさらっとつかみたい人にもお勧めだし、さんざん宇宙論を読んだ人にとってもお薦めの一冊だ。
フラーレンの波動性の話に元気づけられもしたのだが、その後に更に元気になるような文章があった。「シュレーディンガーの猫」の説明の部分だったのだけれど、自然のすごさというか、宇宙の神秘というか、なんていうのだろうか、どこからわき上がってくるのか不思議な感動があった。「宇宙ヤバイ」と思った箇所があったのだ。全文書き抜きたいのだけれど、やめておく。