これから就職する人に読んで貰いたい　理系大学院生が就職してから3年後の感想

以前に、就職活動について書いた。
理系院生の就職活動 - hakanashika
就職活動生へ - hakanashika
わりと検索で就職活動について調べるうちにこのブログにたどり着く人が多いようだ。いまでも結構な頻度で「就職」というキーワードでこのブログにたどり着く人がいる。ありがたいことである。

ところで、僕はというと、就職して丸三年がたち、いまは四年目である。新卒の三割が三年でやめるとか、三年やったらだいたいわかる、とか言われているので、三年やって気づいたことをとりとめもなく書こうと思う。だれかに参考になればよいと思う。就職活動をしている人にとっては、こういうものを少しでも読むことで僅かでも心の平穏を得られるような気がするので。

僕は工学とか化学のようなジャンルの大学院を出て、とあるメーカーに就職した。エンジニアのような仕事をしている27歳である。エンジニアと言っても、システムエンジニアではない。この会社で僕が働いているという違和感等もずっと感じていて、いろいろと今後の進路について、このままでは良いのだろうかと悩んでいるところだ。
入社してから、上司や先輩の言うとおりにやっていれば良かったのが、最近になって、もう少し上の仕事を求められるようになり、責任や悩みが大きくなってきた。しかしまだ給料は上がらない。基本的に給料は価値のある仕事ができるようになってから、遅れてついてくるようなものだと理解しているのだが、会社の中には僕よりもものすごく高給なのに、あきらかに何の価値も産んでいないような人が結構見受けられて面白くなかったりする。

以下、思ったこと。

社会というより、会社

「社会に出る」というのは別にすごいことでも何でもなくて、思っていたほどに厳しいところではない。一部にすごい極端な考えを持った人がいるだけだ。わりといいかげんに物事が進んで行くし、学生よりも緩いところもあるのではないだろうか。学生の頃は、心配しすぎていたような気がする。

ふつうのおじさんのちょっとした工夫がイノベーションを作ってる

別に天才でも高学歴でも何でもない人たちが少しずつ何か自分に出来ることをすることで、少しずつ少しずつ積み重なっていったものが、イノベーションとなる。学生の頃「すごいことやってやるぜ！」的なことを思っていると拍子抜けするかもしれないが、少しだけすごいことを、みんなが少しずつやって、超すごいことにするのである。大学でやっていた研究のほうがよほどすごいこと、最先端のことだったりする。

大手企業でも安心できない

会社はつぶれないかもしれない。でも、会社がつぶれないだけで、従業員は辞めなければならないこともあるだろう。あくまで「会社がつぶれない」だけである。それに、大企業も部署によりけりである。

人間関係が大事である

嫌な仕事も仲間でわいわいやることで、かなり気が楽になるものだ。気持ちの問題である。結局、半径5メートルの人間関係がうまくいけば、嫌な仕事でもなんなくできる。

お金の意識の変革

学生の頃はお金を稼いだり、もらったりしたら、すぐに使っていた。お金が無いといっても、少しアルバイトを増やしたりすれば、なんとかなった。いまは、学生の頃よりも遙かに稼ぐようになったのにも関わらず、お金を使うことに不安を覚える。将来が不安なので貯めてしまうのである。未来への不安感は学生の頃よりも増した。

自分が何をしたいか

結局、自分が何をしたいか、したいことをするためにはどうすれば良いか、を考えるのが仕事の上で大事だということがようやくわかってきた。なにかの問題を解決するためにミーティングを招集するとする。ミーティングでは、自分がどうしたいかをある程度決めてこないと、結論は出ない。決めてくることで、「ダメ」「いいけど、こうしなければダメ」などと突っ込まれることで、色々な問題点が浮上し、実現に向かった結論が出るようになる。具体例を提示して相手に問題点をイメージさせることが重要で、あいまいに、「困っているんですけれど、どうしましょう？」という問題提起では、ミーティングに結論など出ない。

将来が不安

これは完全に僕の事情だが、自分の仕事に慣れてきて、すこし難しい仕事を任されるようになって、これからの会社での人生を考えたとき、この仕事で出世したり、難しいことにチャレンジしたりするのはとても嫌だなぁ、と思ってしまう。自分がこの企業で10年働く将来はとても想像できない。最近は、「業種を変える転職」がしたいのだけれど、なかなか勇気が出せないでいる。業種を変えるということは、キャリアをリセットするということであり、徐々に年齢的にもあまり歓迎されない年頃が近づいてくる。いまの会社はそれなりに休みも取れるし周りの人間関係も良好だし、残業代もちゃんと出るので、単純に働く条件としては良いと思う。だからなおさら悩むのである。