hakanashika

笹倉及介の日記ブログ

箱男 (新潮文庫)

 よくわからない。そのわからなさを楽しむものだと理解した。マトリョーシカのように箱の中に箱がある。
 誰だって自分が入れるくらいのでっかい箱があったらとりあえず入ってみると思うけど、思わないか、いや、思うはずだ、僕はとても思う。だからこの本にでてくる箱男にはとても共感したけれど、そのまま生活しようとは思わないなぁ。外を箱に入って移動していたら不審者として捕まるだろうか。
 箱の中で生活することで他人に見られることなく他人を見ることができるようになるわけだけれど、これってインターネットに似てる。本名も顔も隠して、自分を知られることなく声を大にして発言ができるわけだから。ただ、インターネットの場合は全員が箱男になっている状態と言える。お互いに箱に入って話をしているのだ。