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笹倉及介の日記ブログ

僕たちの関係

僕は自分の道具に愛着を持ってしまう。そしてそれは結構強いんじゃないかと思う。僕はボールペンでいつもメモを取っているけれど、そのボールペンは、色々なボールペンを比較してどれが一番書きやすくて色はどれが良くて…と研究したものなので、とても愛着がある。だから無くさないように大切に使うし、インクが無くなったらインクを取り替える。たとえ100円以下だろうが丸ごと買い換えるようなことはしない。だって僕が自分で選んだボールペンだから。このボールペンに行き着くまでには結構な道のりがあったのだ。捨てるなんて忍びない。完全に情が移ってしまっているわけである。
しかし、それは僕の片思いなのか、もしくは愛情が足りないのかもしれない。というのも、他人に持っていかれたり、無くなったりするのだ。僕は必死で探すのだけれど、なかなか出てきてくれない。そして忘れたころに、隣の席の人に使われているのを目撃したりするのだ。いくら探しても出てこなかったので新しいのを買ったこともある。どうしてなくなるんだろう?もしかして僕のことが嫌いなのだろうか。
最近気づいたのは、僕が好きなのはボールペンだけれど、僕を好きでいてくれる道具があるのかもしれないということだ。そして考えてみた。それは、はさみであると思う。なにしろ、小学校一年生の一番最初、「どうぐばこ」に入っていたときに出会ってからずっと同じものを使っている。さすがに小一のときに書いた名前は消えてしまっているが、特に意識しなくても決して僕の管理から離れたことはないし、壊れたことも無い。一人暮らしをするときの引越しも、当然のように持ってきた。部屋に遊びに来た友人からは、「どうして一人暮らしの男の部屋にはさみなんかあるんだ?」と言われたこともあったが、はさみは必須だと思う。もしかして気づかぬうちに三角関係になっていたのかもしれない。気持ちに気づいてやれなくてごめんよはさみ。というか、自分もはさみへの気持ちに気づいていなかった。大好きだはさみ。でもボールペンのほうが使う頻度が高いんだ。わかってくれはさみ。
そんな「やっと幼馴染の気持ちに気づいた少年」みたいなことを考えている大馬鹿者です。でも「はさみ」という名前はちょっと女の子っぽい。