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笹倉及介の日記ブログ

青年のための読書クラブ

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まずタイトルがツボで、装丁とかデザインもとてもいいじゃないか。そして桜庭一樹。これは買うしかないと思った。
名門なお嬢様だけが通う学園の箱庭の空しさ、漂う美しさと醜さ、それが読んでいて伝わってくる。説明しにくい空気感だ。空気を楽しむ小説だ。学園の過去から未来までの100年の時代を切り取って書いてあって、だからといって別に未来で突然SFになったりするわけでもなく、学園の中ではいつもと変わらない。そういうのはうまいなぁと思う。時代が移り変わるというのは赤朽葉家の伝説に似ている。
桜庭一樹が合うかどうかは、まず二ページほど読んでみて、「うわっ読みたいっ」と思うかどうかだと思う。この本もそうだったし、大抵最初から引き込まれるような本だ。オビとか、タイトル、表紙のデザインとか、あらすじ、そういう本文以外の要素で凄く引っ張られて、本文1ページ目読んだらもう駄目、参った、買います、のような。